ローコスト住宅とオリジナルキッチン

Shingo

2010年09月15日 19:58


随分前ですが、初めて、キッチンカタログに掲載された時の記事を書きました。
(読んでいない方は、こちら)


その時にローコスト住宅なのにオリジナルキッチンを採用したというお話を最後に意味深に終わらせておりました。


その建物が完成しましたので、お話したいと思います。



引っ張った割には、大した話ではないでので、期待し過ぎない程度に読み進めて下さいね。



ちなみにその話に出てきたオリジナルキッチンは、このキッチンです。




この住宅は、とにかく予算内に納めて下さいというのが大前提でした。


それまで、私の事務所では、キッチンについては、ショールームを廻って、キッチンを見て気に入ったものを選んで購入するお客様が多かったです。


しかし、それなりの予算であれば、それなりに満足し、インテリア的にもおかしくないキッチンを選ぶことが出来ます。




ところが、予算が少ない中で、いくら、建物をおしゃれにしても、キッチンだけは、お値段なりのデザインだと台無しです。




「ローコストだから、ローコストらしくしかデザインが出来ない」とは、考えておりません。

「その中で何が出来るのか!」という考え方がとても好きです。




そこで、今回は、キッチンも含めて設計者側でコストコントロール出来るように、建物と合わせてキッチンも検討させて頂くことをお願いしました。




キッチンの機能は、最低限に抑えても良いという了解を得ながら、キッチンも含めて建物のデザインを進めていきました。



オリジナルの良い点は、予算内であれば自由に決められるということです。



要するにキッチンを家具と考えれば、仕上げや形、機能までも全て決めることが出来ます。



インテリアと同じ素材だって使えますね。




「インテリアとかけ離れたデザインのキッチン」と「インテリアとマッチした家具のようにインテリアに馴染むキッチン」とでは、同じ金額でも建築的な価値の生み方が大きく異なります。




建築全体でキッチンも含めてデザインが成立さえしていれば、そのキッチンが安いものなのかどうなのか関係のない話になります。

むしろ、そのキッチンである必要あります。



このようにキッチン自体にその空間での存在意義を強く持たせることによって、建築的な価値を高められるのではないかと思います。

つまり、「君じゃないとダメなんだよ。代わりじゃだめなんだよ。」みたいな感じでしょうか。



既製品では、オリジナルの建物に馴染ませるには、少々厳しいですが、オリジナルならやり方次第という風に可能性が膨らみます。




オリジナルは、高いんじゃないの?

というイメージがあると思いますが、それは、人と違う物をそれなりに造ろうとするからです。

視点を変えて安くするためにオリジナルキッチンを検討すると考えれば良いだけです。

(とにかく安くというのであれば、量販店の方が安いと思います・・・そこには勝てません・・・)



家具屋の棚が高いから日曜大工で安く棚を造るとういう発想とどこか似ていると思います。

無いなら、造れば良いということですね。



長々と書きましたが、私が言いたいのは、オリジナルキッチンもそんなに思ったほど敷居が高いものではないということです。


この記事を読んで、みなさんの選択肢が広がれば幸いです。








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