多くの建築設計事務所が購読している建築専門誌に
日経アーキテクチュアという雑誌があります。
私もその購読者です。
最近、沖縄で、地震や津波と連続で、経験したこともあり、チリ地震の記事に目がとまりましたので、みなさんにご紹介したいと思います。
1ページほどの記事でした。
個人的に、とても興味深いものでしたのでご紹介しますね。
この記事によると、今回のチリ地震(日本時間2010年2月27日)は、マグニチュード8.8。
地震の種類は、海側のプレートが、陸側のプレートの下に沈み込むことによって起こるいわゆるプレート境界型地震とされております。
津波も2mを超えるものもあったようです。
被害も報道によると死亡者500人以上、15建てのマンション1棟基礎部分からの完全倒壊と伝えられております。
しかし、ここからが、興味深い記事でした。
チリ地震は、その1ヶ月ちょい前に起こった、ハイチの地震(2010年1月12日)よりもマグニチュードが、大きかったにも関わらず、被害が少なかったということです。
単純にマグニチュードだけを比較すると
ハイチ地震の7.0に対して、チリ地震は、8.8と約1.25倍です。
ちなみに、マグニチュードと地震エネルギーの関係は、調べて見ると
logE = 4.8 + 1.5M
という関係です。
この式から計算して、エネルギーで考えてみると、およそ500倍となります。
参考程度に、計算してみると比較するマグニチュードに対して、1上がるとエネルギーは、その約31.5倍という感じです。
これだけの大きな差がありながら、被害がハイチに比べて小さかったことは、一体、何が原因だったんでしょうか?
記事によれば、チリにおける1996年に改定された耐震基準が、起因していると分析されています。
その他に震源地からの距離や人口密度の違いもあげておりました。
しかし、チリの耐震基準は、日本の耐震基準に比べて、想定する静的地震力は、およそ半分ということです。
つまり、日本より、想定されている地震力が、半分くらいということです。
(注意:この地震力という部分だけをみたらということで、個人的に解釈しています。別の係数等が加わるかもしれないので・・・今のところ、これだけの情報で、単純に半分って理解するのは、ちょっと・・・・すみません。)
※静的地震力とは、水平方向に建物をゆっくりと一定の力で押し続けている状態というイメージで読み進めて下さい。実際、地震は、激しく揺れますけど・・・。
その改定された耐震基準に合わせて、建設された建物の構造的重大な被害は、2%未満と伝えられています。
もちろん、よくテレビで見る崩壊するような被害は、ありました。
それらは、耐震基準改定前のブロック積みの古い建物がほとんどだということです。
今回のチリ地震での死者の多くは、津波によるものだということです。
チリ地震での被害状況の調査は、今後の地震大国日本の耐震基準の参考になると思います。
沖縄も例外じゃないと思いますよ。
建物の耐震性も大切ですが、その他に地域や都市の防災計画も大切だということではないでしょうか?
今後の調査に個人的にも注視していきたいと思いました。
今回は、少し、専門的な話でしたが、たまには、こんな記事も良いかなと思いアップしてみました。
最後に、被害に遭われた方々のご冥福をお祈り致します。
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