構造設計の現場監理では「経験値」と「感」も大切!

Shingo

2011年11月10日 10:42


先日(11月8日)、沖縄で震度4の地震がありましたね。

私は、ちょうど自宅の2階で昼食を取り始めるとこでした。

結構長い揺れだったように思います。

子どもたちが通う小学校では、「・・・ちゃんと5分以内に避難出来ました。家でも話題にして下さい。・・・」とその後、メールで連絡がありました。

私が知っている限りでは、実際に避難した事例は身近では初めて聞きました。

私は、その直後、「こんな時のために構造設計というものがあるんだなぁ」と再認識しました。




その日の夕方、ある住宅の基礎の配筋検査がありましたので、ご紹介します。

みなさんは、「構造設計」や「構造計算」という言葉は耳にしている方は多いと思います。

今回の検査は、まさに構造分野です。

鉄筋コンクリート造の場合、コンクリート・鉄筋・型枠は、構造監理がメインと考えてもらうとイメージしやすいのかも知れません。




ここで大切なのは、構造設計はもちろん、構造設計の意図通りに現場が出来ているのかをチェックすることが大切です。

構造設計がちゃんと出来ていても現場がその構造設計の意図するものになっていなければ意味が無いのです。




ここで「意図するもの」というところが重要なのです。

鉄筋が入っていれば安心ということでもありません。

どのように入っているのかも大切です。




現場では、図面通りにいかないケースもよく見かけます。

また、その構造的な対応や判断も必要になってきます。




毎回現場の職人も同じ方ではないこと多いので、その方がどのような仕事をするのかも分かりません。

オリジナルの建物を造っている限りは、毎回、同じ構造でもありません。

ですので、毎回、現場で構造設計の意図通りに出来ているのかをチェックする必要があります。




私の事務所では、実施設計からは各建物に担当者がつきます。

まず、担当者が図面通りに出来ているのかを事前にチェックします。



そして、その後、構造設計者本人である私が現場を再度チェックします。

やはり、構造設計者の目線で見ると、指摘することはありますね。

事前チェックは、担当者のトレーニングにもなりますし、二重チェックにもなりますので、構造部分だけではなく、このようなスタイルで検査を行っております。




地震の翌日、スタッフと話しをしました。

「構造図面通りに現場が出来ていることの確認だけで良いのか?」ということです。

「もし、構造図面が間違っていたらどうする?」ということも話てみました。




構造設計者であれば、現場を見て、「ん、なんでこうなっているんだ?」とか「ここより、なんでここが鉄筋が多いんだろう?」とか「鉄筋の向きこれで良かったけな?」とか図面だけに頼らず、経験値からも察知することもあります。




私は、一番初めは図面を見ないで検査を行うことにしております。

そして、この建物がどんな構造なのかを把握し、経験値や感でチェックしてきます。

その後、図面と照合させて最終的に検査を終えるようにしております。




みなさんも経験ないですか?

「なんか、へんだよなぁ。だけど、なんだろう?」みたいな経験。




そういった経験値による感もとても大切だと私は思います。

図面だけに頼らず、自分の経験値や感でもチェックすることは大切だと思います。




私の事務所では、ご存じのように構造設計は、私自身が行っています。

構造に関しては特に私の確認無しでは、先に現場を進めないようにしております。

性格でもあると思いますが、自分で確認しないと落ち着いて眠れません・・・



ちょうど沖縄でも地震もあったこともあって、今回は、構造のお話にしてみました。








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