先日、外注していた最終図面の製本が届きました。
良い機会ですので、昔の図面と今の図面を見比べて見ましょう!
下の写真は、私の事務所の製本された図面と10数年前の他社の製本された図面です。
左が、今の私の製本図面です。A3版用紙で、図面は作成されています。
右は、昔の図面で、A2版用紙で作成されています。
昔の図面と言ってもおそらく、今でも青焼き図面もあると思います。
単に、私の事務所やその周りで最近見かけなくなっただけだと思います。
この記事では、青焼き図面を一応、昔の図面ということで、話を続けます。
今は、CAD(キャド)というソフトを使って、パソコンで、図面を描きます。
こんな感じです。
ワープロは、文章を書くソフト、表計算するのは、エクセル、みたいに図面を描くときは、CAD(キャド)という感じです。
パソコンを使って、図面を描いていますので、もちろんプリンターで、紙に出力します。
私の事務所では、住宅規模が多いので、大きな紙に出力するプリンター(プロッター)までは必要ありません。
ですので、A3プリンターでも十分なのです。
もちろん、大きなお仕事、大歓迎ですよ。
A3用紙までなら、通常のコピー機でもコピー出来ますから、とても便利です。
もちろん、世の中には、大判用紙用のコピー機もあります。
このように最近では、パソコンで図面を描いていることもあり、白い紙に出力した図面が、主流になっています。
一昔前は、大きな用紙サイズの図面を、手書きで描いていました。
トレーシングペーパーと言って、半透明で少し透けている紙に手書きで描いていました。
私は、こだわりで、
黄色のトレーシングペーパーを使っています。
トレーシングペーパーだと、一度、描いた図面の上に紙を重ねると、図面をなぞって描けます。
こうすると、1階平面図(間取り)を描いた後、1階平面の設備図面を別の図面として作成するときに、とても便利に出来ます。
間取りを何回も寸法を追って、描くよりもなぞった方が、早いですからね。
今の時代は、コピー&ペーストで、もっと簡単ですけど。
トレーシングペーパーは、私の場合、計画したり、案を練る時に利用しております。
トレーシングペーパーは、描いた図面を、コピー機でもコピー出来ます。
また、トレーシングペーパーは、手描きだけではなく、パソコンで書いた図面も出力出来ます。
当時、大判のコピー機が、高価だったのか、無かったのか分かりません。
手描き時代は、青焼き機という機械を使って、図面をコピーしているのが一般的でした。
これが、結構大変な作業でした。
私も、小学生のころから高校生くらまでに、何度か手伝ったこともあります。
アンモニアを使用するので、とても臭いです。
そして、1枚ずつ、焼いていきますので、ほとんど、機械にベッタリです。
また、コツが入ります。
1枚焼くのに結構時間も掛かります。
更に、これが、また、紙がよく詰まるんです。
もう、最悪です。
一生懸命に描いた手描きの図面が、グシャグシャになった時もありました。
もう、がっかりです。
当時のスタッフのみなさん、ごめんなさい。
そんな手間がかかる青焼き図面ですので、愛情というか、想いというか、なんとも言えない雰囲気が、出ていますね。
今の時代に不向きですが、古き良き時代を思い起こさせるオーラを持っています。
図面1枚1枚への想い、そして、1本1本の線。
当時の先輩建築士たちは、いろんな想いを込めて、全力投球で、紙の上に鉛筆を走らせていたんですね。
今の時代は、線1本でもボタン1つで簡単に消せますし、更に、描いた後の線の移動や形を変えるような修正までもが、簡単に出来てしまいます。
実際の建物では、柱は動かせませんが、パソコンの上では、簡単に移動してしまいます。
ちなみに手描きでは、簡単に移動できません。
手間がかかりますし、汚れてしまいます。
今は、紙詰まりでも、もう一度、プリンターで出力するだけで良いですからね。
正直、当時に比べると、図面に対する緊張感みたいなものは、薄れている感じはします。
データが、壊れて、泣くときもありますが・・・・
これに対して、手描き時代は、描いてしまった線は、消しゴムで消して、更にその周りの線まで、消して修正しなければなりません。
修正すると図面は、汚れていきます。
また、描いてる最中でも、手の甲や腕が図面と接するだけで、鉛筆の粉で、汚れていきます。
ですので、図面の作図中の緊張感は、今と比べたら月とすっぽんくらい違います。
紙が詰まったりしたら、もう大変です。
私のような若い世代は、もっともっと、緊張感を持って、真剣に線1本1本の意味を考え、図面を描いていかなければなりませんね。
私は、両方の時代を体験出来たので、とても運が良かったのかもしれません。
ん〜、まだまだ、書き足りませんが、長くなりそうなので、この辺りで、終わらせて頂きます。
予定では、「青焼き図面ってあるんですよ〜」くらいの記事のつもりでした。
なんだか予想外でした。
今回の記事を書いているうちに、改めて、図面に対する姿勢を考えさせらてしまいました。
初心を忘れずに、頑張っていきたい思います。
良い機会でしたので、図面のお話をさせて頂きました。
私にとっても良かったです。
めでたしめでたし。
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