オーラが違う?昔の図面と今の図面

Shingo

2010年02月02日 00:12

先日、外注していた最終図面の製本が届きました。

良い機会ですので、昔の図面と今の図面を見比べて見ましょう!

下の写真は、私の事務所の製本された図面と10数年前の他社の製本された図面です。





左が、今の私の製本図面です。A3版用紙で、図面は作成されています。

右は、昔の図面で、A2版用紙で作成されています。





昔の図面と言ってもおそらく、今でも青焼き図面もあると思います。

単に、私の事務所やその周りで最近見かけなくなっただけだと思います。



この記事では、青焼き図面を一応、昔の図面ということで、話を続けます。



今は、CAD(キャド)というソフトを使って、パソコンで、図面を描きます。

こんな感じです。






ワープロは、文章を書くソフト、表計算するのは、エクセル、みたいに図面を描くときは、CAD(キャド)という感じです。



パソコンを使って、図面を描いていますので、もちろんプリンターで、紙に出力します。



私の事務所では、住宅規模が多いので、大きな紙に出力するプリンター(プロッター)までは必要ありません。



ですので、A3プリンターでも十分なのです。



もちろん、大きなお仕事、大歓迎ですよ。



A3用紙までなら、通常のコピー機でもコピー出来ますから、とても便利です。



もちろん、世の中には、大判用紙用のコピー機もあります。



このように最近では、パソコンで図面を描いていることもあり、白い紙に出力した図面が、主流になっています。





一昔前は、大きな用紙サイズの図面を、手書きで描いていました。


トレーシングペーパーと言って、半透明で少し透けている紙に手書きで描いていました。


私は、こだわりで、黄色のトレーシングペーパーを使っています。





トレーシングペーパーだと、一度、描いた図面の上に紙を重ねると、図面をなぞって描けます。

こうすると、1階平面図(間取り)を描いた後、1階平面の設備図面を別の図面として作成するときに、とても便利に出来ます。

間取りを何回も寸法を追って、描くよりもなぞった方が、早いですからね。

今の時代は、コピー&ペーストで、もっと簡単ですけど。

トレーシングペーパーは、私の場合、計画したり、案を練る時に利用しております。





トレーシングペーパーは、描いた図面を、コピー機でもコピー出来ます。

また、トレーシングペーパーは、手描きだけではなく、パソコンで書いた図面も出力出来ます。




当時、大判のコピー機が、高価だったのか、無かったのか分かりません。

手描き時代は、青焼き機という機械を使って、図面をコピーしているのが一般的でした。





これが、結構大変な作業でした。

私も、小学生のころから高校生くらまでに、何度か手伝ったこともあります。

アンモニアを使用するので、とても臭いです。




そして、1枚ずつ、焼いていきますので、ほとんど、機械にベッタリです。

また、コツが入ります。

1枚焼くのに結構時間も掛かります。




更に、これが、また、紙がよく詰まるんです。

もう、最悪です。

一生懸命に描いた手描きの図面が、グシャグシャになった時もありました。

もう、がっかりです。

当時のスタッフのみなさん、ごめんなさい。





そんな手間がかかる青焼き図面ですので、愛情というか、想いというか、なんとも言えない雰囲気が、出ていますね。

今の時代に不向きですが、古き良き時代を思い起こさせるオーラを持っています。





図面1枚1枚への想い、そして、1本1本の線。





当時の先輩建築士たちは、いろんな想いを込めて、全力投球で、紙の上に鉛筆を走らせていたんですね。





今の時代は、線1本でもボタン1つで簡単に消せますし、更に、描いた後の線の移動や形を変えるような修正までもが、簡単に出来てしまいます。

実際の建物では、柱は動かせませんが、パソコンの上では、簡単に移動してしまいます。

ちなみに手描きでは、簡単に移動できません。

手間がかかりますし、汚れてしまいます。




今は、紙詰まりでも、もう一度、プリンターで出力するだけで良いですからね。

正直、当時に比べると、図面に対する緊張感みたいなものは、薄れている感じはします。

データが、壊れて、泣くときもありますが・・・・





これに対して、手描き時代は、描いてしまった線は、消しゴムで消して、更にその周りの線まで、消して修正しなければなりません。

修正すると図面は、汚れていきます。

また、描いてる最中でも、手の甲や腕が図面と接するだけで、鉛筆の粉で、汚れていきます。

ですので、図面の作図中の緊張感は、今と比べたら月とすっぽんくらい違います。

紙が詰まったりしたら、もう大変です。





私のような若い世代は、もっともっと、緊張感を持って、真剣に線1本1本の意味を考え、図面を描いていかなければなりませんね。





私は、両方の時代を体験出来たので、とても運が良かったのかもしれません。





ん〜、まだまだ、書き足りませんが、長くなりそうなので、この辺りで、終わらせて頂きます。




予定では、「青焼き図面ってあるんですよ〜」くらいの記事のつもりでした。

なんだか予想外でした。




今回の記事を書いているうちに、改めて、図面に対する姿勢を考えさせらてしまいました。

初心を忘れずに、頑張っていきたい思います。




良い機会でしたので、図面のお話をさせて頂きました。



私にとっても良かったです。



めでたしめでたし。





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